納期の遅れや契約条件への不安など、ビジネスの現場では「懸念」を伝える場面がよくあります。「concern」ももちろんよく使われますが、懸念の強さや種類に応じて、より適切で効果的な表現を使い分けることで、より正確に気持ちや状況を伝えられます。
このブログでは、懸念の強さに応じた英語表現とそれぞれの表現に適した言い回し(about / about whether / that)との組み合わせもあわせて紹介。多少ニュアンスの違いがありますが、どの言い回しを使っても自然で意味も伝わりますので、安心して使ってください。
最後には「表現 × 前置詞や接続詞の相性」も一覧表にまとめているので、迷ったときの参考にしてください。
なお、懸念・心配の英語表現の基礎編では「concern」を詳しく解説しています。
強い懸念(深刻な不安や切迫):(be anxious / be deeply concerned)
be anxious about / about whether
「強い不安」や「落ち着かない状態」を表す。切迫感あり。
be deeply concerned about / about whether / that
「concerned」 に 「deeply」 を加えると深刻度が増します。
中程度の懸念(一般的・冷静な心配):(be concerned / have concerns)
be concerned about /about whether /that
最も一般的なビジネス表現。冷静かつ丁寧。
have concerns about / about whether /that
名詞で表す丁寧な懸念。やや形式的。
弱めの懸念(軽い心配・不快感):(be worried / be uneasy / feel uncomfortable)
be worried about /about whether /that
やや感情的で、カジュアル寄り。
「shipping」と「shipment」の違いまとめ
「shipping」と「shipment」は貿易実務でよく使われますが、それぞれ意味や使い方に違いがあります。以下にその違いをまとめました。
項目 | shipping | shipment |
---|---|---|
使い方 | 出荷という行為・プロセスにフォーカスするとき | 出荷される品物そのものや、1回の便(出荷単位)にフォーカスするとき |
例 | Shipping is delayed.(出荷作業が遅れている) | Our shipment is delayed.(私たちの出荷品 (出荷便) が遅れている) |
よく使う言い回し | shipping cost, shipping method | a shipment of goods, multiple shipments |
be uneasy about / about whether
漠然とした不安感。「何となく引っかかる」感じ。
that節は使われません。
feel uncomfortable about
不快・違和感・戸惑いなど軽度の抵抗感を示す。
判断の迷い(懸念というより不確かさ):(be unsure)
be unsure about / whether
「懸念」というより「判断に迷っている/確信がない」状態。
「be unsure about whether」より「be unsure whether」の方が自然でよく使われます。
「表現 × 前置詞や接続詞の相性」の一覧表
以下の表は、よく使われる「懸念の表現」と、それに続く「about + 名詞」、「about + whether」、「that」の相性をまとめています。実際に使うなら「about + 名詞」の形がいずれの表現でも使えて便利です。
表現 | about + 名詞 | about + whether | that |
---|---|---|---|
anxious | ○ (自然) | ○ (自然) | × (不自然) |
concerned | ○ (自然) | ○ (自然) | ○ (自然) |
have concerns | ○ (自然) | ○ (自然) | ○ (自然) |
worried | ○ (自然) | ○ (自然) | ○ (自然) |
uneasy | ○ (自然) | ○ (自然) | × (不自然) |
feel uncomfortable | ○ (自然) | × (不自然) | × (不自然) |
unsure | ○ (自然) | △(「unsure whether」 の方が自然) | × (不自然) |
※△は「意味は通じるが一般的ではない」「より自然な別の表現がある」ことを示します。
まとめ
ビジネスで「懸念している」「心配している」と伝えるときは、どれくらいの強さで懸念しているのかによって英語表現を使い分けるのがポイントです。
さらに、「about」、「about whether」、「that」など、セットで使う語句の選び方にも注意すると、自然な英語になります。ぜひ今回紹介した表現を、実際のやり取りに取り入れてみてくださいね!
「feel uncomfortable」 は通常 「about + 名詞/動名詞」(例:about sharing the internal report)で使うのが自然です。「about whether…」 も文法的には可能ですが、あまり一般的ではありません。