貿易実務や国際取引のメールでは、「確認事項」や「必要書類」を正確に伝えることがとても大切です。
そんなときに役立つのが、英語での 箇条書き(bullet points) です。ポイントを整理して伝えるだけで、誤解を防ぎ、メールのやり取りがぐっとスムーズになります。
この記事では、まず 不具合対応を題材にした英語メールの例文 を紹介し、そのあとで 箇条書きの作り方 や 確認を依頼するときのフレーズ(フォーマル度別) をわかりやすくまとめています。また、不具合対応でよく使われる 「investigate」 と 「look into」 の違い についても解説します。
なお、ここで紹介する箇条書きの使い方は、書類リストや依頼事項など、一般的な英文メールにも幅広く応用できる内容になっています。
ぜひ最後までお読みいただければ嬉しいです。
英語メール例文:不具合対応で使える箇条書きの手順
さっそく、具体的なひな形を見ていきましょう。bullet(箇条書きの点)を使い、箇条書内の文のスタイルを統一すれば、相手にとってとても読みやすくなります。


【不具合】:スチーム後のミルクが水っぽい。エスプレッソマシンのスチームの力が弱い。
【メール】:イタリアのメーカー輸出担当者が、不具合の原因を究明するため、日本の輸入業者に以下のメールを送ったとの想定です。内容を確認しましょう。
Dear Kenji,
We are writing in response to your email about the possible defect of our espresso machine. To investigate the cause of the defect, please ensure the following:
・Fresh, cold, unadjusted milk is used.
・No milk residue is attached to the steam nozzle.
・Steam nozzle is purged to expel any remaining moisture before steaming.
・Boiler is heated to above 90℃ before steaming (espresso brewing and steaming cannot be done simultaneously).
If the issue persists, there may be a malfunction inside the machine. Please confirm the above points before proceeding further.
Best regards,
Giovanni
健司様
お世話になっております。
エスプレッソマシンの不具合の可能性につきまして、ご連絡いただいた件へのご返信です。原因を調査するため、下記の点をご確認ください。
・新鮮で冷たい、調整されていないミルクを使用していること
・スチームノズルにミルクの残留物が付着していないこと
・スチーム前にノズル内の水分を排出するために空ふかしを行っていること
・スチーム前にボイラーの温度が90℃を超えていること(エスプレッソ抽出とスチームは同時に行えません)
上記を確認しても問題が解決しない場合は、マシン内部に不具合が生じている可能性があります。まずは上記の点をご確認いただけますようお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
Giovanni
英語メールでの箇条書きの書き方・作り方(文・単語の使い分け)
英語メールでは、リストの前にコロン (:) を置くのが一般的です。箇条書きには大きく分けて、次の2種類があります:
- 文で書く箇条書き
- 名詞だけで書く箇条書き
重要なのは、文と単語を混在させないことです。
コロン (:)
「ここからリストが続きます」という合図。
例:Please review the following documents:
セミコロン (;)
1) 関連した文をつなぐとき
例:I went to the park; I met a friend there.
2) 説明語句を含む“複雑なリスト”を区切るとき
例:The trip includes hotels in Tokyo, where we will stay for a week; in Yokohama, which is known for its beautiful waterfront; in Osaka, famous for its street food; and in Kobe, known for its high-quality beef.
旅行には、東京(1週間滞在予定)、横浜(美しいウォーターフロントで知られる)、大阪(ストリートフードで有名)、神戸(高品質な牛肉で知られる)のホテルが含まれています。
文章で書く箇条書き
指示・手順・注意点など、文章で説明した方が伝わる内容をリスト化するときに使います。
Please ensure the following:
・Fresh, cold, unadjusted milk is used.
・No milk residue is attached to the steam nozzle.
・Steam nozzle is purged to expel any remaining moisture before steaming.
名詞だけで書く箇条書き
書類名や品目名など、名詞を並べるだけで意味が通じる場合に使います。
Please prepare the following:
・Invoice
・Packing List
・Certificate of Origin
確認依頼フレーズの選び方(フォーマル度別)
「Please ~」を使った確認依頼のフレーズには丁寧さの違いがありますが、基本的には確認を依頼する意味です。
| 丁寧さのレベル | フレーズ |
|---|---|
| カジュアル | Please check the following: |
| カジュアル寄り | Please make sure of the following: |
| 少しフォーマル | Please confirm the following: |
| フォーマル | Please ensure the following: |
following は形容詞で、「次の/以下の」という意味を持ち、後ろに続く名詞を修飾するときに使います。
- Please confirm the following.
- Please confirm the following points.
この場合、points は文脈で明らかなので、省略してthe following だけでも自然に通じます。そのため、文中では the following が名詞のように見えますが、実際には形容詞として使われています。
一方で、名詞としての following はまったく別の意味を持ち、「支持者・ファン」を指します。
- The artist has a large following
「investigate」と「look into」の違いと使い分け例
どちらも「調査する」ですが、深さが違います。
investigate
- 「徹底的に調査する」「分析する」というニュアンス。
- 技術的な問題や原因究明など、深い分析が必要な場面で使う。
- 会話でも書き言葉でも「本格的な調査」を意味する場合は investigate。
(例): We need to investigate the causes of the defect.
look into
- 「ちょっと調べる」「検討する」という軽いニュアンス。
- ビジネス会話で「まずは確認してみる」という場面でよく使う。
- ただし、徹底的な分析を意味する場合は look into ではなく investigate を使う。
(例): We need to look into the problem to find out what went wrong.
まとめ
英語メールで箇条書きを使うと、情報が整理されて相手に正しく伝わります。本記事では、bullet points の使い方、文章と単語の書き分け、確認フレーズの選び方を紹介しました。貿易実務や海外取引のメールでもそのまま活用できます。
次のメールから、ぜひ活用してみてください。


