「A級は難しそうで、どこから手をつければいいか分からない…」
そんな方のために、この記事では 貿易実務検定 A級の難易度・合格率・勉強時間 などを含め、独学で初回合格した経験をもとに試験の全体像や合格のコツ、各教科のポイント、おすすめの教材などの概要を整理しました。
各科目(貿易実務/英語/マーケティング)の詳しい対策は、別の記事で詳しく解説しています。
▶ A級|貿易実務
▶ A級|英語 (全体対策)
▶ A級 | マーケティング
貿易実務検定A級の難易度は?
A級は、貿易実務検定の中でも最上位の試験のため難易度が高い試験。記述式中心で、平均合格率は約35%前後です。
会場試験という環境も、A級の難易度を上げる要因のひとつです。独特の緊張感に飲まれたり、周囲の受験生がどんどん解き進めるのを見て焦ったり、鉛筆や電卓の音が気になると、集中力を保つのが難しく、思わぬミスにつながることがあります。
私は、静かな自宅だけで勉強するのではなく、あえてカフェなど騒がしい環境で過去問を解き、本番を想定した準備をしました。
なお、A級は年1回のみ開催。不合格の場合は次回まで1年待つ必要があるため、計画的に学習を進めることが大切です。1年に1回しか受験できないことも、本番ではプレッシャーとなり難易度を上げていると思います。
貿易実務検定A級の合格点の目安
試験は3科目で構成されています。
合格ラインは公表されていませんが、C級は80%、B級は70%です。A級は他の級と違って記述式が多いため、合格ラインは低めになると思います。また、実際に受験した経験から、おおよそ60%前後ではないかと考えています。
私は自己採点で65〜70%を取ることができ、無事合格できました。合計で300点(約65%)を取れれば、合格は十分現実的だと思います。
特に英語は配点が150点と大きいため、得意な方は有利に進められるでしょう。
| 科目 | 配点 |
|---|---|
| 貿易実務 | 200点 |
| 英語 | 150点 |
| マーケティング | 100点 |
| 合計 | 450点 |
通関士試験との違い
両試験は一部重なる部分もありますが、出題範囲は大きく異なります。通関士試験ではインボイスなどの一部の書類が英語表記になりますが、英語力やマーケティングの知識は問われません。輸出入通関の知識をより深く問う試験です。
私は商社で貿易実務を経験しており、英語が得意科目です。通関業者での経験はありません。そのため、通関業務の知識を問われ、英語科目のない通関士試験の方が難しく感じました。
通関士試験の平均合格率は約15%前後で、合格するための目安は各教科およそ60%程度です。A級と同程度の得点率が必要ですが、合格率が低めに出ています。
A級合格後に通関士試験の勉強を始め、約10カ月かけて挑戦しました。自己採点では、通関業法、関税法等、通関実務の各教科で75%以上獲得でき、A級よりも高得点で合格できましたが、勉強期間は長くなりました。
貿易実務検定A級の勉強時間と進め方
C級、B級に合格してから数年が経ち、次はA級にも挑戦してみようと思いました。
私は独学で、1日平均で2~3時間ほどの勉強を6カ月程度続けました。まず公式テキストをじっくり読み込み、その後は過去問を繰り返し解いて理解を深める方法が最も効果的でした。
実際に私が使用したテキストや参考書は、記事の最後で紹介していますので、これから勉強を始める方はぜひ参考にしてください。
貿易実務検定A級に合格するコツ①:「苦手科目の底上げ」
得意科目だけで勝負するのはリスクがあります。試験本番では、緊張感から思わぬミスも起こりがちです。そのため、得意な問題での失点をカバーできるよう苦手科目の底上げをしておくことが大切です。
私自身、比較的得意としていた海上運賃計算の問題でアメリカの都市の位置関係を誤り、計算は合っていたのに答えを間違えたことがありました。
その代わり、苦手科目のマーケティングを一通り勉強し、基本問題を確実に解けるようにしていたため、この失点をカバーできました。
マーケティングは過去問を解いても最初は30%しか取れませんでしたが、基礎を固めて50%まで上げることができました。
また、英語は得意でしたが、法律英語のように苦手な分野もありました。そうした部分も放置せずに勉強することで、科目全体の理解が深まり、得点につながります。
貿易実務検定A級に合格するコツ②:「過去問を解く」
ブログ前半でも書きましたが、まずはA級の公式テキストをじっくり読み込み、その後は過去問を繰り返し解いて理解を深める方法が効果的でした。
A級では、過去問と似た形式の問題が繰り返し出題される傾向があります。私は過去5年間の過去問を3回繰り返し解きました。少なくとも3年分の過去問にトライすることをおすすめします。
過去問は、マウンハーフジャパンで販売しています。A級は1回分が税込4,158円と高額ですが、出題傾向の把握や時間配分の練習に役立ちます。
各教科のポイント
ここでは、貿易実務検定A級の3科目について、ざっくりとしたポイントをまとめました。各科目(貿易実務/英語/マーケティング)の詳しい対策は、別の記事で詳しく解説しています。
▶ A級|貿易実務
▶ A級|英語 (全体対策)
▶ A級 | マーケティング
貿易実務
貿易実務分野では、特にL/Cや書類作成と運賃・関税計算への対策が大切です。基本を確実に押さえ、過去問で実践力を身につけることが、合格への近道です。計算問題も毎回出題されます。
- 信用状(L/C)取引の理解
仕組み・用語・実務の流れをしっかり押さえておくことが大切です。 - 書類作成力
輸出入書類にはパターンがあります。 - 運賃・関税計算の対策
計算問題は毎回出題されるため、繰り返し練習しておきましょう。 - 国際税制の基礎知識
難しく見えても基本問題が中心。得点源になりやすい分野です。
英語
英語分野では、契約・保険に関する表現、インコタームズの正確な理解、大きな桁の数字感覚が押さえておきたい重要項目です。
- 契約や貨物海上保険に関わる法律用語
例:effect 「(保険を) 付保する」、in good faith 「誠意をもって」など - インコタームズの正確な英語名と日本語名
例:CIP=輸送費保険料込み(※「運賃保険料込み」は誤り) - 大きな桁の数字の感覚
例:「$3.6 billion」=「36億円」など、数字の感覚も重要です。
マーケティング
マーケティング分野では、基本用語の暗記と計算問題への対応が得点アップのカギです。過去問で出題傾向を確認し、知らない用語は検索して調べ、理解を深めました。
- マーケティング用語とその定義:
SWOT分析、3C分析、PEST分析、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント (PPM)、ブルーオーシャン戦略など。内容は基本的なものが多く、どれだけ用語を覚えているかが得点のカギになります。 - 計算問題:
損益分岐点売上高、GMROI(商品投下資本利益率)、交差比率の計算方法が複数回出題されています。最初は難しく感じるかもしれませんが、計算式を覚えてしまえば、問題4(計算問題)にも十分対応可能です。GMROIや交差比率は理解しづらいと感じる方も多いと思います。私自身は正直、理解できているとは言えませんが、計算式だけはしっかり覚えておいたおかげで、問題には対応できました。理解することがベストですが、試験対策としては「まずは暗記」も十分に有効な戦略だと思います。
おすすめ参考書・教材紹介

貿易実務検定A級の学習の際に実際に使用した教材で、おすすめ教材一覧 をまとめました。効率的な勉強の参考になれば嬉しいです。
- 貿易実務ハンドブック ベーシック版
C級向けですが、アドバンス版で理解が難しい箇所を補うのに最適です。特に、アドバンス版には記載のない外為法における、輸出許可・承認が必要な貨物や輸入承認が必要な貨物について、具体的に分かりやすく解説されています。 - 貿易実務ハンドブック アドバンス版
A級・B級どちらの受験にも役立つ一冊です。内容が分かりやすく、各章にチェック問題も用意されているため、理解を確認しながら進められます。ただ、A級の出題範囲を完全にはカバーしていないため、過去問を解きながら問われている分野を把握し補完が必要です。特恵関税制度、経済連携協定(EPA)の仕組みについてはテキストを基本として、それ以上の深い理解が必要になります。国際税制に関する基本用語も補強が必要です。またマーケティングに関しては扱っている内容が少ないため、より幅広いマーケティングの基礎知識を身に着ける必要があります。テキストで足りない部分はインターネットで検索して補強しました。 - 通関士合格の基礎知識
通関士試験用ですが、関税計算や実務問題の理解に役立ちます。上記2冊とは別の角度から説明している部分もあり、理解できなかった部分がすっと腑に落ちることもありました。
最後に
貿易実務検定A級は難関ですが、苦手分野を底上げし、過去問で出題パターンに慣れることが合格への近道です。焦らず、計画的に取り組めば十分に合格は狙えます。
貿易実務検定A級 関連記事一覧
A級の科目別の具体的な対策も順を追ってご紹介していますので、参考にしていただければと思います。
▼ 全体像・ロードマップ
・A級|概要(※本記事)
▼ 科目別対策
・A級|貿易実務
・A級|英語 (全体対策)
・A級|英語:頻出単語(法律・海上保険)
・A級|英語:インコタームズ
・A級|英語:大きな数字の読み方
・A級|マーケティング

