今回は、貿易実務検定A級のマーケティング科目(正式名称:貿易マーケティング)について、過去の出題傾向をもとに 効率よく得点につなげる勉強法 をまとめました。
マーケティング科目では、難しい理論を深く掘り下げるというより、基本用語の意味を理解しているか が問われる問題が中心です。用語の種類は多く、テーマも広範囲にわたりますが、過去問を見ると繰り返し出題される用語もあります。まずは重要な用語を少しずつ押さえるだけでも、短期間で得点を伸ばしやすい科目です。
この記事では、過去6回分(第18回〜第23回)の出題をもとに、マーケティング科目で押さえておきたい基本用語の一部や、実際に出題されたテーマ・問題パターンを整理しました。
すべての用語を網羅することはできませんが、少しずつ基本用語の暗記から始めることで、短期間でも得点につなげやすくなります。これから学習を始める方の入口として、少しでも参考になれば嬉しいです。
A級マーケティング科目はどんな試験?

A級のマーケティング科目は、初めて学ぶ人にとっては手探りになりやすい分野です。B級にはない記述問題や計算問題も含まれるため、扱う内容自体は似ていても、求められる理解の幅と深さは一段上がります。
しかし学習を進めるうちに、出題の多くは 「基本用語の理解」 を問うものであり、難しい理論を深く掘り下げる必要はないことが分かりました。テーマは広いものの、過去問を解きながら頻出用語を押さえることが得点アップの第一歩になります。
また、最後の計算問題は出題範囲がある程度決まっているため、集中的に対策すれば安定した得点源になります。
私の場合、最初は知らない用語ばかりで、100点中30点ほどしか取れませんでした。ですが、マーケティングで 50点前後を安定して取れるようになってからは、気持ちもラクになりました。
A級は科目ごとの足切りがなく、 総合点で合否が決まるため、マーケティングが苦手な方も、まずは 基本用語を暗記して50点前後(50%)を取ることを目標にすれば安心です。あとは 配点の大きな他の科目(貿易実務や英語)で十分カバーできるので、合格ライン(60%程度を想定)も十分超えられると思います。
選択問題 (大問1 & 大問2 )
大問1と大問2では、マーケティングに関する幅広い知識が問われます。出題されるのは用語の基本的な意味が中心なので、まずはマーケティング用語とその定義をしっかり覚えることが得点のカギです。
ここでは、マーケティング戦略の最初のステップで使われる代表的な用語を紹介します。
現状分析でよく使う用語
| 用語 | 簡単な説明 |
|---|---|
| SWOT分析 | 自社のStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)を整理する手法 |
| 3C分析 | Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の視点で市場を分析する手法 |
| PEST分析 | Politics (政治)・Economy (経済)・Society (社会)・Technology (技術) のマクロ環境を分析する手法 |
| 5フォース分析 | 「買い手の交渉力」、「売り手の交渉力」、「業界内競争」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」から競争環境を分析するフレームワーク |
戦略立案で登場する理論・戦略
現状分析をもとに「どう戦うか」を決めるフェーズでよく出る用語です。
| 用語 | 簡単な説明 |
|---|---|
| 戦略ドメイン | どの市場・事業に注力するかを決める枠組み |
| アンゾフの成長ベクトル・市場参入戦略 | 市場・製品の組み合わせで成長方向を整理するフレームワーク (市場浸透戦略、市場開発戦略、製品開発戦略、多角化戦略) |
| アーカーのブランド・エクイティ | ブランドがもつ価値や信頼度を評価する考え方 |
| プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM) | 製品や事業の優先順位を整理するための手法 |
| 流通チャネル | 商品やサービスが自社から顧客に届くまでの経路で、経路の段階数(長さ)や仲介者の数(幅)で特徴づけられるもの |
| 製販同盟 | メーカーと小売業者が協力して市場での競争力を高める戦略 |
| ブルーオーシャン戦略 | 競争が少ない新市場を開拓して差別化する戦略 |
※ここで紹介したのはマーケティング戦略の前半部分です。さらに市場戦略や価格戦略、プロモーション戦略など、用語は多数登場します。
記述問題 (大問3の1)
大問3の1は、あるマーケティングに関連する記述問題 (4問セット)で、それぞれの用語を100〜200文字で説明する問題です。過去には一般的な用語が中心でしたが、2024年は海外進出戦略など貿易寄りの内容も出題されました。
| 内容 | 簡単な説明 | 出題数 |
|---|---|---|
| 多角化戦略 | アンゾフの成長ベクトルの中の一つの戦略で、新市場や新製品への展開を通じて事業を拡大する戦略 | 1 |
| ブランド・エクイティ | ブランドが持つ価値や信頼度を評価する考え方 | 1 |
| プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント (PPM) | 製品や事業の優先順位を整理する手法 | 1 |
| 流通チャネルや製販同盟など | 商品の経路(長さ・幅)や、メーカーと小売業者の協力関係 | 1 |
| ブルー・オーシャン戦略 | 競争が少ない新市場を開拓して差別化する戦略 | 1 |
| 海外進出方法 | 直接貿易や間接貿易、現地法人の設立などのメリット・デメリットなど | 1 |
記述式の穴埋め問題 (大問3の2)
大問3の2は、マーケティング用語に関連する 穴埋め問題(4問セット) です。一般的な用語に加え、2024年は 半導体技術や時事問題 に関連した出題も見られました。
難易度が高い問題は解けなくても他の基本問題で十分カバーできます。
| 内容 | 簡単な説明 | 出題数 |
|---|---|---|
| グリーン調達に関連する用語 | 環境に配慮した資材や製品を調達する仕組み | 1 |
| 製販同盟の関連する用語 | メーカーと小売業者が協力して市場での競争力を高める戦略 | 1 |
| ブランド戦略に関する用語 | ブランドの認知度や価値を高めるための戦略 | 1 |
| フランチャイズ契約に関する用語 | 本部と加盟店が契約を結び、ブランドやノウハウを共有する仕組みに関する用語 | 1 |
| 国際収支に関する用語 | 国際間の取引による収入と支出のバランスを示す指標 | 1 |
| 半導体に関する用語 | 半導体技術の専門用語や台湾のTSMC社誘致などの時事問題 | 1 |
計算問題 (大問4)
計算問題は苦手な人が多いと思いますが、パターンを押さえると得点源になります。A級専用の解説ではありませんが、GMROIや損益分岐点など計算テーマ自体の解説はYouTubeやブログに豊富なので、独学でも十分に対策できます。
計算問題は細かいテーマが多いように見えますが、過去6年間の出題を整理すると、主に3つのタイプに分けられます。計算式を覚えてしまえば問題に十分対応できるため、まずは暗記から入るのも有効です。
GMROIや交差比率などは私自身も正直、理解できているとは言えませんが、計算式をしっかり覚えておいたおかげで問題に対応できました。
| 分類 | 主なテーマ | 簡単な説明 | 出題数 |
|---|---|---|---|
| 財務指標に関する問題 | GMROI、交差比率、粗利益率、商品回転率、売上高各種利益率 | 企業の収益性や効率性を測る指標群 | 9 |
| 損益分岐点に関する問題 | 損益分岐点売上高、損益分岐点比率、限界利益率 | 売上と費用の関係から利益がゼロになる点を分析する指標群 | 6 |
| 損益計算書・キャッシュフローに関する問題 | 営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー | 財務諸表を用いて資金の流れや利益構造を把握する指標群 | 3 |
最後に
マーケティング科目は、用語を覚えて計算問題のパターンを理解するだけで、コツコツ得点を積み重ねられます。A級の中でも対策しやすい科目ですので、短期間の学習でもしっかり成果を感じられると思います。
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