【実務攻略】貿易実務検定A級 貿易実務科目の勉強法と頻出テーマ

貿易実務検定A級の勉強に取り組むイメージ。机の上にコーヒーとノートが置かれている。 貿易実務検定A級

こんにちは。今回は、貿易実務検定A級の「貿易実務科目」に焦点をあて、過去試験の傾向を踏まえた合格のための勉強のポイントをご紹介します。

A級は知識だけでなく、書類作成や計算問題、トラブル対応など幅広い実務力が求められます。ただ、出題パターンがある程度決まっているため、ポイントを押さえれば着実に得点につなげることができます。

この記事では、過去6回分(第18回〜第23回)の出題を分析し、頻出テーマや得点源になりやすい分野を整理しました。パターンを理解しながら学習すれば、合格への近道になります。

はじめて貿易実務検定A級を受験する方へ

A級全体の試験構成や勉強法は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらから読むと、本記事の内容が理解しやすくなります。

▶ A級|概要

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貿易実務科目で大事なポイント

貿易実務検定A級の貿易実務試験のイメージ

A級の貿易実務では、知識だけでなく「現場での判断力」や「書類作成の実務力」が問われます。特に、次の4つが重要なポイントだと感じました。

  • 信用状(L/C)取引の理解
    L/Cの仕組みや用語は、細かいところまで問われる定番分野です。
  • 書類作成力
    輸出入書類はある程度パターン化されているため、過去問を繰り返し解くことで、書類作成力が付き、確実に得点源にできるようになります。
  • 運賃・関税計算で問われる基礎知識
    海上・航空運賃の計算は毎回出題されます。ルールを押さえておくと安定して点を取れます。本ブログでは計算方法そのものは扱っていませんが、知識不足で落とすともったいないポイントとして、アメリカ主要都市の位置関係や航空運賃の端数処理に絞って解説しています。計算自体ができていても、これらを知らないだけで失点してしまうケースがあるため、確実に押さえておきたい部分です。関税計算についても基本ルールの理解が必須ですが、詳細な計算方法は煩雑になるため、本ブログでは扱っていません。
  • 国際税制の基礎知識
    一見難しそうに見えますが、出題されるのは基本的な内容が中心。得点源にしやすい分野です。

問題1・2(正誤・択一式)

このパートは、基本から細かい規定まで幅広い内容が問われます。とくに、以下のテーマは頻出です。

  • L/C の仕組み・用語
  • 特恵税率、EPA協定(日欧EPA、CPTPP(旧TPP11)、RCEP など)の枠組み
  • 原産地の証明方法、原産品の考え方、救済措置
  • 国際税制の基本知識

特恵税率やEPA協定は細かい内容まで出題されることもあるため、過去問で「どのレベルまで問われるか」「どこが狙われやすいか」を把握しながら学ぶのが効率的でした。

問題3 (語群選択式)

1つのテーマに対して8つの空欄を埋める形式。同じテーマが出題されていることも多いパートです。

特に「船荷証券を紛失した場合の対応」や信用状(L/C)関連がテーマの問題は複数回出題されています。これらの内容は、学習していく中で自然と理解できる分野でもありますが、過去問を通じてパターンをつかんでおきたいところです。

テーマ出題回数
船荷証券を紛失した場合の対応2
信用状の有効期限や最終呈示日の延長等について1
信用状統一規則での書類作成の留意点1
対顧客相場について1
海上貨物の運送クレームについて1
※第18回~第23回までの計6回の集計

問題4・5 (書類作成)

書類作成問題は、最初は難しく感じますが、パターンが決まっているため練習すれば得点源になります。

輸出書類の出題傾向

輸出書類では荷為替手形 の作成が毎年出題されています。型は決まっているため満点を狙えます。

輸出書類作成出題回数
荷為替手形6
荷為替手形の再割引のための裏書3
先物為替予約票3
信用状なし輸出荷為替手形買取依頼書2
ディスクレにあたり買取銀行へ提出する保証状 (L/G)1
※第18回~第23回までの計6回の集計

荷為替手形作成のポイント

チェックポイント記載例
一覧払手形 (Drafts at sight) の場合、「At XXXXX sight」と記入する。空欄のままにしない。At XXXXX sight of this FIRST Bill of Exchange (Second of the same tenor and date being unpaid) Pay to the ABC BANK, Ltd or order the sum of…
数字の表記ルール
21~99の数字はハイフンを入れるのが一般的。
・Fifty-Seven(57)
・Twenty-Four(24)
金額表記時の注意点
ThousandHundredsを付けない
「US Dollars + 金額 + only」 の形で記載する。「only」をつけることで改ざんを防ぐ。
・US$99,450.00
US Dollars Ninety-Nine Thousand Four Hundred Fifty only
・US$145,250.00
US Dollars One Hundred Forty-Five Thousand Two Hundred Fifty only

輸入書類の出題傾向

輸入書類では 信用状開設依頼書 が比較的よく出題されています。ほかにも、L/G(船会社向け保証状)や損害求償状などが過去に出題されました。

輸入書類作成出題回数
信用状開設依頼書3
輸入取引申込票2
船会社へ提出する保証状 (L/G: Delivery without Bill of Lading)2
船会社へ提出する保証状 (L/G: Delivery without Bill of Lading)用の外貨建約束手形2
先物為替予約票1
保険会社への損害求償状1
※第18回~第23回までの計6回の集計

問題6の1 (海上運賃計算問題)

海上運賃計算での最大の注意ポイントは、ミシシッピ川を境に運賃区域(タリフ)が分かれていることです。都市の位置を誤ると別タリフが適用され、計算が正しくても不正解になります。まずはアメリカ主要都市の位置関係を正確に押さえておきましょう。

また、重量容積建て運賃の判断は確実にできるようにしておきたいところです。

過去6年間に出題されたアメリカの都市

タリフ判定の基礎として、以下の都市の位置関係を再確認しておきましょう。

アメリカの都市位置出題回数
シアトル 西海岸1
ダラス ミシシッピ川以西1
ヒューストン ミシシッピ川以西1
シカゴ ミシシッピ川以東1
アトランタ ミシシッピ川以東1
マイアミ 東海岸1
※第18回~第23回までの計6回の集計

問題6の2 (航空運賃計算)

航空運賃計算での最大の注意ポイントは、重量と寸法の端数処理ルールです。端数処理を誤ると、計算式が合っていても最終的な運賃がズレてしまうことがあります。

また、実重量と容積重量の比較や、As取り、も確実に判断できるようにしておきましょう。

重量の端数処理

【ポイント】重量は常に切り上げ。航空運賃は 0.5kg単位 で計算されます。

重量の端数処理の仕方
0.5kgまでの端数は、0.5kgに切り上げます。143.001kg → 143.5kg
143.500kg → 143.5kg
0.5kgを超えた端数は、次の1kgに切り上げます。143.567kg → 144.0kg
・端数処理の対象は小数点以下3桁までです。143.0001kg → 143.0kg

寸法の端数処理

【ポイント】寸法は四捨五入。測定誤差を考慮し、整数cmとして扱います。

寸法の端数処理の仕方
・小数点第一位を四捨五入します。
・つまり4以下であればゼロ、5以上であれば1つ大きいくらいに1を足します。
150.3cm → 150cm
125.5cm → 126cm
100.7cm → 101cm

問題7 (貿易とクレームに関する事例問題)

B/Lに関するトラブルが頻繁に出題されています。特に、ディスクレの判断やその理由、そして対応方法についての問題が多く見られます。

過去の試験では、参考資料として信用状統一規則や法律、裁判の判決事例などが掲載されており、それを基に解答を作成する形式でした。しかし、2024年の第23回試験では、参考資料が一切出されませんでした。参考資料が出ない回もあるため、「こういう場合はこう対応する」というパターンを理解しておくことが大切です。

トラブル出題回数
B/Lのディスクレ5
B/Lの偽造1
※第18回~第23回までの計6回の集計

問題8 (関税額等の計算)

関税額の計算での最大の注意ポイントは、可算要素・控除要素の分類を正確に覚えることです。ここを間違えると、連動する4問すべてが不正解になることもあります。

この分野は通関士試験で深く問われますが、A級ではそこまでの知識は不要です。ただし、基礎的なルールの理解は必須です。

本ブログでは計算方法そのものは扱っていませんが、どの要素が課税価格に含まれるかを判断できるようにしておくと、安定して得点につながります。

参考書

貿易実務検定A級の学習の際に実際に使用した教材で、おすすめ教材一覧 をまとめました。効率的な勉強の参考になれば嬉しいです。

  • 貿易実務ハンドブック ベーシック版 
    C級向けですが、アドバンス版で理解が難しい箇所を補うのに最適です。特に、アドバンス版には記載のない外為法における、輸出許可・承認が必要な貨物や輸入承認が必要な貨物について、具体的に分かりやすく解説されています。
  • 貿易実務ハンドブック アドバンス版
    A級・B級どちらの受験にも役立つ一冊です。内容が分かりやすく、各章にチェック問題も用意されているため、理解を確認しながら進められます。ただ、A級の出題範囲を完全にはカバーしていないため、過去問を解きながら問われている分野を把握し補完が必要です。特恵関税制度、経済連携協定(EPA)の仕組みについてはテキストを基本として、それ以上の深い理解が必要になります。国際税制に関する基本用語も補強が必要です。またマーケティングに関しては扱っている内容が少ないため、より幅広いマーケティングの基礎知識を身に着ける必要があります。テキストで足りない部分はインターネットで検索して補強しました。
  • 通関士合格の基礎知識
    通関士試験用ですが、関税計算や実務問題の理解に役立ちます。上記2冊とは別の角度から説明している部分もあり、理解できなかった部分がすっと腑に落ちることもありました。

最後に

貿易実務科目は、知識だけでなく実務処理力が問われる試験ですが、比較的パターンが決まっています。テキストと過去問を活用して、少しずつ着実に得点力を上げていきましょう。この記事が役立てば嬉しいです。

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全体像・ロードマップ
A級|概要

科目別対策
A級|貿易実務(※本記事)
A級|英語 (全体対策)
A級|英語:頻出単語(法律・海上保険)
A級|英語:インコタームズ
A級|英語:大きな数字の読み方
A級|マーケティング

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